おそらくご商売をされている方はどんなジャンルでも季節の影響を受けるのではないでしょうか。
食べ物関係の場合、収穫時期や旬のもの、気温によって食べたいもの、作れるものなどモロに影響を受けます。
人の気分へ訴えかけてくるものなのでとても自然なことだと思います。
なので時期ごとに催されるイベントはまさにシーズンの気分を盛り立てるものなのでとても楽しみになります。
ただ、習慣的な部分のみでイベントを組んでしまうとはざまの時期が何だか物足りなくなってしまいます。
(夏休みが明けたら次はクリスマスに向けた準備がされている、とか…)
ちょっと話は変わりますが、ファッションや習慣にまつわる「オシャレ」とは季節の先取りにあるそうです。
一番有名なものでいえば清少納言の『枕草子』。
「冬はつとめて〜」の部分でも良いのですが、第22には次のようにあります。
原文:
すさまじきもの。
昼吠ゆる犬。春の網代。三、四月の紅梅の衣。(以下略)
現代語訳:
似合わなくて期待はずれで、気持ちがさめてしまうもの。
昼に吠える犬。春まで残っている網代。三、四月(今の四、五月)の紅梅がさねの着物。
つまり、「時期の過ぎたものをいつまでも出しているのは興醒めだ」と言っているんですね。
乱暴に言ってしまえばこれの逆、「これからの時期のものを先取りするのはワクワクする」という論法で「季節の先取りはオシャレ」ということになります。
(と言っている本を昔読んだ記憶があるのですがタイトルは忘れてしまいました…。)
話を元に戻しますと、習慣として作られたもののみをイベントとして重視せずに、「栗が売っていないか探してみよう」「さつまいもを使ったお菓子はないか」「サンマが並び始めた」といった季節の変化を探して、「季節の先取り」を意識するだけで、人はワクワクできるのではないか、という話です。
特に日本は四季のある国ですし、その時期の季節感や味覚を楽しみたいですね。