お菓子だけでなく、通常のお食事や飲み物についても同様かもしれませんが、食べる行為には複数の要素が絡んでいると考えられます。
口の中で咀嚼するだけでも「味覚」「嗅覚」「触覚」「聴覚」が刺激されていますし、食べ物の見た目に対する「視覚」の刺激や場所の雰囲気や人とのコミュニケーションといった環境も要素になります。
日常の中でさりげなく休憩時などに食べているものは、「甘いものが欲しい」とか「ご褒美」とか「気分転換」とか、そういった些細な感情や感覚から選んで食べているかもしれません。
私個人の感覚のみでいえば、そういった時の選び方の基準は「味覚」です。「こんな味のものが食べたい」という気持ちを満たしてくれるものを経験値から選んでいます。
ですが、ハッとするのは「触覚」や「嗅覚」です。
先日パンナコッタがカラメルもない適当にプリンを作ったのですが、卵臭さが気になって思わず食べる手を止めたのですが、そこにカラメルを添えただけで匂いが気にならなくなりましたし、さらに言えばバニラビーンズを足してあげればよかったなと反省するほどに、香りの影響は食べ物に大きな影響をしています。
例えば、JBファームでは洋酒を使用したケーキがいくつかありますが、洋酒は生地の食感をしっとりとさせてくれる上に洋酒の豊潤な香りを味に付加してくれます。
同じブランデーであっても、果物の香りが添えてあると全く別の表情を見せるように、ケーキも様子が一変します。
それは味覚の刺激とは異なるものなので、この香りの違いも堪能していただけるケーキをこれからも出して行きたいなと思っています。