ブルーベリーを見ていると、その色鮮やかさにうっとりします。
農園で摘み取っているときは濃い黒に近い色で「取ってくれ〜〜〜」と主張しているようですし、ジャムにして煮ているときはこってりとしたダークレッドで濃厚な甘みと酸味を予感させますし、シロップに浸けているときはふわっと滲むように透けるような赤さを出しています。
ふと溢れたジャムをふきんで拭き取ったとき、そこに付いた色は青紫。
不思議…。どんな色素なのでしょう?どんな原理で見える色や溶け出す色が違うのでしょう?
そもそも、ブルーベリーの色はポリフェノールのひとつである「アントシアニン」によるもの。紫外線から身を守るためにこの色の実になるそう。
この「アントシアニン」が赤、青、紫を示す水溶性色素で、「青いハーブティー」で知られるバタフライピーもこの「アントシアニン」の色によるもの。
(バタフライピーはチョウマメから作られる色素です。)
このアントシアニン、「水溶性」という点で、水分に滲み出やすい色素であることがわかります。
そしてさらに、pH(酸性度)によっても色が変わる性質があるのです。
バタフライピーティーにレモンを入れると、色が青から赤に変わるというのは聞いたことがありませんか?これは、レモンを入れることでお茶が酸性に寄ったことによるものです。
また、温度や濃度、金属イオン、酵素などといった要因によっても色調や構造に変化があるそうです。
なので、生の実の状態、煮た状態、お酒やお砂糖に漬けた状態ではアントシアニンにはあらゆる状態変化が起きていて、色素の構造が変わっているということです。
なかなか遊び心をくすぐられる色素を持った果物です。