お菓子作りは、入り口のハードルが道具や材料を用意する点でちょっと高くて、それを超えると作れることが楽しくなって、でも極めようとすると奥が深くて、と長い歴史があるだけのことはあるなと思わされます。さすが、「職人」や「研究家」がいる業界です。
元々は「おいしい」とか「見た目が美しい」とか、そういったことの追求が根本にあるのでしょう。
難しいのは「おいしい」という感覚を高めることと、「おいしい」を作るための知識や経験値を積むことは別だというところでしょう。
例えば、生地ひとつを取ってみても配合や手順、焼き加減でまるっきり異なるものが仕上がります。
JBファームのケーキで言えば、「ブランデーケーキ」と「リモーネ・リモーネ」では使用している材料が異なります。これは、生かしたい風味や食感のバランスを考えてそれぞれが作られているからです。
香ばしさを出すためにこの材料を使う、とか、水分量を減らすにはこの工程を踏む、とか、自分の求める味を追求するために知識を積み重ね、試しています。
素材一つでも温度やタイミング、状態で味も見た目も変わってくるので、試してみるにも変化させる軸をなかなか絞れないのが難しいところ。
ここに経験値だけでは補えない、先人たちの知恵を組み合わせて試行錯誤をしています。
こうして作ったお菓子の味が、自分の「おいしい」という感覚にマッチするか。この感度が下がると、おいしいと思っていただけるお客様が減ってしまう可能性があるので、ここも大切です。
試して考えて食べてみて、の繰り返し。
どうか今日も皆様においしいお菓子が届いていますように。