バルサミコ酢は子供の頃からお菓子のレシピ本が大好きでした。
お年玉と、月々のお小遣いをためて、初めて買ったのがガスを使うオーブン。
今のオーブンのような、立派なものじゃありません。天火と呼ばれていました。
今から50年近く前のお話です。
当時はハンドミキサーなどもなくて、泡だて器で鶏卵を泡立てるのがとても大変でしたが、時々スポンジケーキを焼いていました。
大人になって家庭を持って、変わらずに使い続けたのがオーブン。
家族のためにケーキを焼くのが休日の楽しみになっていました。
農園を始めた頃、息子のクルマ仲間の方に、お茶うけとしてパウンドケーキをお出ししました。その時に、その方は仰いました。
「ブランデーケーキが大好きなんだけど、今一つ美味しいブランデーケーキに出会えないんだ。今度作ってみてよ。」
それからブランデーケーキを幾度も作り、その方に
「これは美味しい」と言っていただくことができました。
その方のその一言がなかったら、お菓子を製造販売することはなかったかもしれません。
材料は国産のバターと小麦粉を使っています。
コストを下げるためにマーガリンを使う方も多いと伺いますが、バターの美味しさがケーキの基本となっていますので、新鮮なものを規定量使っています。
知人の娘さんでパティシエをしているという方に一度食べていただいたことがあります。
その方はひと口食べて「これはマーガリンでは出せない味。バターをしっかり使っていないと、この味にはならない」とおっしゃいました。
作り手としてはハッとさせられるところで、大事にしている部分が「伝わっている」と同時に、わかる人には手を抜いている部分がすぐに「バレる」ということです。
小麦粉も、国産のものを使用しています。小麦の味がわかるケーキを心がけています。
時間が経過してもふわふわであるために、鶏卵の泡立てにも重点をおいています。
通常、鶏卵を泡立てる時は室温に戻して行いますが、JBファームでは冷たいままの鶏卵を使います。
冷たいままの鶏卵は泡立ちにくいものですが、それをしっかりと泡立てることで時間経過に負けないふわふわ感を作り出しています。
どうか、今日もみなさまにおいしいケーキが届いていますように。